7 Jun 2018
新しいお客様 及び D-Wave社の成長を促進する資金調達 について
量子コンピューター業界のリーダーD-Wave社は、顧客契約8,000万ドルを達成し、顧客プロトタイプ・アプリケーション50本以上を経験しています
バーナビー市(カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州)– (2018年6月7日)– – 量子コンピューティング・システムとソフトウェアのリーダーであるD-Wave Systems 社は、日本、欧州、北米でD-Waveの顧客基盤が大幅に成長したと発表しました。これらの新しいお客様は、D-Waveのリモート・アクセス・サービスに加入し、プロトタイプ(試作、あるいは原形)のアプリケーションを開発して、これまでに開発されているアプリケーションに新たに数十本ものアプリケーションを追加しました。D-Waveコンピューターを使用して開発された50本以上のプロトタイプ・アプリケーションのうち、およそ半分が最適化問題であり、約20%が機械学習についてであり、残りは量子物質科学を含む広範な領域についての問題です。これらの結果の中には、D-Waveシステムが性能や解の品質の点で、従来のコンピューターに極めて近かったり時にはそれを上回っていたりすることを示し、量子コンピューターによりお客様の実アプリケーションで前進があるという数々の例の最初の予兆です。
また、Sustainable Development Technology Canada(SDTC)から1,000万カナダドルの資金と支援を弊社が受け取ったと発表しました。SDTCは、カナダの起業家が世界的に競争力のあるクリーン・テクノロジー・ソリューションの開発と展開を促進するのを支援しています。D-Wave社は、古典的コンピューターと比較して次世代の量子コンピューターが低エネルギー消費であることに基づきこの資金を受け取りました。これとは別に、弊社は、重要な技術とビジネスのマイルストーンを達成したことに基づき、Public Sector Pension Investment Board(PSP Investments)から2,000万米ドルの事前発表ファンドの締結をしました。
「量子コンピューティングにおけるD-Wave社のリーダーシップは、ハードウェア・システムをはるかに超えて拡大しています。弊社の顧客基盤は急速に成長しており、D-Waveシステム用に開発されたプロトタイプ・アプリケーションの幅は他の量子アーキテクチャーをはるかに超えています」とD-Wave社CEOのVern Brownellは述べています。続けて「D-Waveの量子アニーリング・システムは、今日、このようなアプリケーションを開発するために使用できる唯一のスケーラブルなプラットフォームとして使用可能です。 ユリッヒ・スーパーコンピューティング・センター(Jülich Supercomputing Centre)の研究者達のような独立した専門家は、量子技術の成熟度を評価し、この市場でD-Wave社がリードしていることを検証しています」
2018年の成長のハイライトは次のとおりです:
新しいお客様とアプリケーション:日本、ヨーロッパ、北米の顧客基盤の拡大に伴い、D-Wave社は、実世界の問題のプロトタイプ・アプリケーションを開発する多くの組織に量子システム・アクセスを用意しています。最近の例としては:
- フォルクスワーゲン、豊田通商(同、日本語版)、 デンソーによる交通流の最適化
- リクルートコミュニケーションズによるウェブ広告の最適化
- 野村證券、東北大学、スタンダード・チャータードによる金融ポートフォリオの最適化
- MDR社の金融、自動車、創薬分野のアプリケーションを使用可能にする量子機械学習用ソフトウェアの開発
- BTグループ、ロンドン・ユニバーシティ・カレッジ、ブリストル大学と共に、Plantagenet Systemsが率いるUK -funded projectは、幅広い産業の複雑な計画問題に量子アニーリングを適用
- カリフォルニア工科大学とUSCでヒッグス-ボソン最適化問題を解く機械学習を用いた科学研究、USCでのDNA結合アプリケーションの研究
量子新アーキテクチャーへの資金提供:Sustainable Development Technology Canadaからの資金調達の発表は、Innovation, Science and Economic DevelopmentのNavdeep Bains大臣によって先週なされました。この資金はD-Wave社の次世代システムの開発に使用されます。
PSPからの追加資金:PSPInvestmentsからの追加の2,000万米ドルの資金調達が終了しました。このファンドはD-Wave社が次世代プロセッサーの可動プロトタイプの製作とテストを含むすべての重要な条件を満たしたこの2月に確定しました。
ユーザー間のコラボレーションの促進:D-Wave社は、今年4月にヨーロッパで初めての「Qubits」ユーザー会議をドイツのミュンヘンで開催しました。この会議には、ロッキード・マーチン、NASA / USRA、ロスアラモス国立研究所、オークリッジ国立研究所、その他のユーザーおよびお客様からの最新情報が披露されました。プレゼンテーションは、航空宇宙産業(エアバス)、地下貯留層モデル(ロスアラモス国立研究所)、津波避難(東北大学)、材料シミュレーションと交通最適化(フォルクスワーゲン)が含まれています。4回目のD-Waveユーザー会議は、2018年9月にテネシー州ノックスビルで開催予定です。
量子コンピューティング教育の提供:量子コンピューターのプログラミングは従来のプログラミングとは大きく異なるため、D-Wave社はD-Waveシステムの物理学から始まり新たに開発された量子ソフトウェア・ツールを使用するプログラミングまでの全てをカバーする講師によるクラスを提供します。2018年には、NAVAIR、スタンフォード大学、ワルシャワ大学、ユリッヒ・スーパーコンピューティング・センター、ロスアラモス国立研究所、オークリッジ国立研究所、東北大学、トロントの創造的破壊研究所などを含む米国、ヨーロッパ、日本でクラスを提供して来ました。D-Waveは近々追加のオンライン学習ツールを立ち上げ、また、6月25日にドイツのフランクフルトで開催されるInternational Supercomputing Conference(ISC)で毎年行っている量子コンピューティング・セミナーを今年も開催する予定です。
Quadrant Business(クワドラント・ビジネス)の立上げ:D-Wave社は、幅広い業界や様々なアプリケーション分野をまたがって企業が最先端の深層学習を可能にする量子力学的機械学習アルゴリズムとサービスを提供する新しいクワドラント・ビジネス・ユニットを発表しました。クワドラントは、生成的な機械学習アルゴリズムを利用して、ほとんどラベル無しのデータからより良い結果を導き出します。クワドラントのアルゴリズムは、今日のGPUベースのシステムで実行してもよい結果を出し、同様に、D-Waveの次世代量子技術上でも動作するように設計されています。
D-Wave社について
D-Wave社は、量子コンピューティング・システムとソフトウェアの開発と提供のリーダーであり、そして世界で唯一の量子コンピューターの商用供給業者です。私たちの使命は、量子コンピューティングの力を世界に解き放つことです。私たちは、量子コンピューティングが、最も困難な国防、科学、技術、および商業問題を解くことを可能にすると信じています。D-Waveのシステムは、ロッキード・マーチン、グーグル、NASAエイムズ、USRA、USC、ロスアラモス国立研究所のような、世界で最も先進的な組織で使用されています。カナダのバンクーバー近郊に本社を置くD-Wave社は、米国での事業拠点をカリフォルニア州パロアルトとメリーランド州ハノーバーに置いています。D-Wave社は、PSP Investments、Goldman Sachs、Bezos Expeditions、DFJ、In-Q-Tel、BDC Capital、Growthworks、180 Degree Capital Corp.、Kensington CapitalPartners Limitedの優良投資会社基盤を持っています。詳細については、www.dwavesys.comをご覧ください。
Sustainable Development Technology Canadaについて
Sustainable Development Technology Canada(SDTC)は、クリーン・テクノロジー・ソリューションの開発とデモンストレーションを行う中小企業への資金提供と支援により、カナダ政府がクリーン・テクノロジー・イノベーションをカナダにおいて推進するために創設した財団です。