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27 Feb 2019

D-Wave社、次世代量子コンピューティング・プラットフォームを予告発表

技術の進化により、新プロセッサーは、量子ビット数を増大させ、量子ビット間の接続数を増やし、量子ビットのコヒーレント時間を長くすることを可能としています;同様に、顧客価値をさらに高め、もっと商用量子アプリケーションの開発を実現するための(古典コンピューターと量子コンピューターの)ハイブリッド・ソフトウェアとツール類を用意しています。

バーナビー市、カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州  – 2019227 ―  量子コンピューティングのシステム、ソフトウェア、サービスのリーダーであるD-Wave Systems 社は、本日、量子計算アプリケーションの提供を加速しかつ容易にするハードウェア、ソフトウェア、高速化のためのツールを組み込んだ次世代量子コンピューティング・プラットフォームのプレビューを発表しました。お客様からの長年にわたるフィードバックを反映させて、このプラットフォームはユーザーの優先事項とビジネス要件を把握し、パフォーマンスの大幅な向上とソリューションの精度の向上を実現するものです。ユーザーは、これまでより大きな問題を量子コンピューターに埋め込むことができるので、商用の量子アプリケーションをより迅速に開発することが出来るようになります。

この次世代D-Wave量子プラットフォームには、クラウドを通じて利用可能な継続的なアップデート、新しい量子システム、ツールやアプリケーション用の新しいソフトウェアが含まれています:

  • 新トポロジー: Pegasusトポロジーは、世界のどの商用量子システムと比べても一番多くの接続数を持っています。現在、Chimeraトポロジーでは各量子ビットは他の6個の量子ビットに接続されています。Pegasusトポロジーでは、各量子ビットは他の15個の量子ビットに接続されます。2倍半多く接続されていることにより、PegasusChimeraトポロジーよりも少ない物理量子ビット数でより大きな問題を埋め込むことを可能にします。D-Wave Oceanソフトウェア開発キット(SDK)には、Pegasusトポロジーを生成するためのツールが含まれています。興味のあるユーザーは自分の問題をPegasusに埋め込むことを試すことが出来ます (https://docs.ocean.dwavesys.com/en/latest/examples/topology_samplers.html) Pegasusトポロジーについての技術情報は次のホワイト・ペーパーをご参照ください(https://www.dwavesys.com/sites/default/files/14-1026A-C_Next-Generation-Topology-of-DW-Quantum-Processors.pdf)。このトポロジーを可視化したものはここhttps://www.dwavesys.com/sites/default/files/D-Wave_Pegasus_GIF.gif)にあります。
  • 低ノイズ: この次世代システムは、これまでD-Wave社によって製造された市販の量子処理ユニット(QPU)の中で最低ノイズのものです。この新しいQPU技術は量子ビット・コヒーレンスをさらに改善し、既存のものも新規開発のものも、量子コンピューティング・アプリケーションのさらなる高速化への道を開きます。
  • 量子ビット数の増加: 5000個以上の量子ビットを持つ次世代プラットフォームは、既存のD-Wave 2000Q™システムの2倍以上の量子ビット数を実現します。より多くの量子ビットと新トポロジーとを組み合わせることで、商用量子アプリケーションを構築する時、量子プログラマーは、より大きく、より密度が高く、より強力なグラフにアクセスできるようになります。
  • ハイブリッド・ソフトウェアとツールの拡大: 使い易さ、自動化、新ツールへのさらなる投資は、いっそう強力なハイブリッドの迅速な開発環境を提供します。ハイブリッドなソフトウェアとツールは、開発者が慣れ親しんだコーディング環境であるPythonによる古典的量子プラットフォームと次世代量子プラットフォームの両方を実行することができるように、既存のD-Wave Hybrid™製品上に構築されます。モジュラー方式は、古典的タスクと量子タスクの分散を単純化するロジックを組み込んでおり、開発者が処理を中断し、各システムから最大限の計算能力を引き出すためにシステム間で同期をとることができます。さらに、D-WaveのOcean SDKのオープン・ソース・ツールは、使い易さとパフォーマンスのためにPythonとCで書かれています。
  • 柔軟なアクセス: この次世代のD-Wave量子プラットフォームは、Leap™クラウド・サービスを通じて使用時間の購入によりアプリケーションの構築と実行をすることが可能であり、またお客様のサイトにこの次世代システムをインストールしていただくことも可能です。開発者、研究者、政府機関、研究所、そして進取の気風の有る企業は、柔軟な購入計画により、それぞれの業務に適した方法でD-Wave量子システムにアクセスを開始することができます。
  • 進行中のリリース: D-Wave次世代量子プラットフォームのコンポーネントは、現在から2020年半ばまでの間に、QPUとソフトウェアの継続的なアップデートをしながら、クラウド経由で提供される予定です。完全なシステムは、2020年半ばには、クラウド・アクセスを通して、または自社に設置して利用可能になる予定です。興味のあるユーザーやお客様は、Oceanツールを使用して新しいPegasusトポロジーに問題を埋め込むことを今日から始めることができ、次のウェブ(https://cloud.dwavesys.com/leap/login/)で使用可能になるLeapを通じてこのプラットフォームの新しいコンポーネントによる利点を味わえるでしょう。

「量子コンピューティングは、お客様が実行することができるアプリケーションにのみ価値を持つものです」と、D-Wave社の最高製品責任者のAlan Baratzは述べ、続けて「次世代プラットフォームでは、コネクティビティ、ハイブリッド・ソフトウェアやツールなどに、問題がもっと複雑になり、さらに大規模になっても解決できるようにするための投資を行っており、新たに出現する量子アプリケーションに命を与えることになります。私たちが下したすべての決定とこれから下すあらゆる決定は、開発者が量子システムを習得し、お客様が最初の商用量子キラー・アプリケーションを構築するのを手助けするという継続的なコミットメントを反映するでしょう」

D-Wave社の次世代プラットフォームは、お客様が現実世界の量子コンピューティング・アプリケーション開発の努力を成功させるのを手助けするというD-Wave社のコミットメントにおける重要なマイルストーンになることでしょう。今日までに、D-Waveのお客様は、航空会社のスケジュール作成、選挙モデリング、量子化学シミュレーション、自動車設計、予防医療、物流など、さまざまな分野で100を超える初期アプリケーションを開発しています。アプリケーション開発を簡単にするソフトウェア・ツールも多数開発されています。これらの既存のアプリケーション、ツール、およびコミュニティは、開発者に、学ぶことができてその上に新たに構築できる豊富な例を提供します。次世代プラットフォームは、量子アプリケーションの多様性、性能、精度、および広がりを拡大し続けることを約束します。

次世代量子プラットフォーム情報へのリンク

Pegasusのトポロジーは、Ocean経由でここから(https://docs.ocean.dwavesys.com/projects/dwave-networkx/en/latest/reference/generated/dwave_networkx.generators.pegasus_graph.html#dwave_networkx.generators.pegasus_graph)アクセスできます。

D-Wave Hybrid開発者プレビューはGitHub https://github.com/dwavesystems/dwave-hybridhttps://github.com/dwavesystems/dwave-hybrid)からアクセスすることができます。

Leap Cloud アクセスについて

Leapは、稼働中の量子コンピューターへのリアルタイム・アクセスを提供するD-Wave社のクラウド・アクセスおよび量子アプリケーション環境(QAE)です。アクセスすることに加えて、Leapはオープンソース開発ツール、インタラクティブなデモとコーディング例、教育用リソース、そしてクラウドでアプリケーションを構築し実行するための知識ベース材料を提供します。開発者、研究者、そして進取の気風の有る企業向けに設計されたLeapは、オンライン・コミュニティを通じてコラボレーションを可能にし、コミュニティが量子アプリケーションを作成して実行し、現実世界のアプリケーションの開発をスピードアップすることを助けます。

Leapは、個々の開発者、一般企業、政府、研究所、および教育分野向けに設計された有料プランを提供しています。詳細を調べてLeapを使い始めるには、D-Wave社のWebサイトhttps://www.dwavesys.com/(https://www.dwavesys.com/)にアクセスしてください。

(※Leapサービスに関しては、日本国内のお客様は、http://dwavejapan.com/contact-us/ からお問い合わせください。)

D-Wave Systems 社について

D-Wave社は、量子コンピューティング・システムとソフトウェアの開発と提供のリーダーであり、そして世界で唯一の量子コンピューターの商用供給業者です。私たちの使命は、量子コンピューティングの力を世界に解き放つことです。これを実現するため、物流、人工知能、材料科学、創薬、サイバー・セキュリティ、障害検出、および財務モデリングなどの多様な問題に対して、実用的な量子アプリケーションを使ってその価値をお客様に提供しています。D-Waveのシステムは、フォルクスワーゲン、デンソー、ロッキード・マーチン、グーグル、NASAエイムズ、USRA、USC、ロスアラモス国立研究所、オークリッジ国立研究所など、世界で最も先進的な組織のいくつかで使用されています。カナダのバンクーバー近郊に本社を置くD-Wave社は、米国での事業拠点をカリフォルニア州パロアルトとメリーランド州ハノーバーに置いています。D-Wave社は、PSP Investments、Goldman Sachs、Bezos Expeditions、DFJ、In-Q-Tel、BDC Capital、PenderFund Capital、180 Degree Capital Corp.、Kensington CapitalPartners Limitedの優良投資会社基盤を持っています。詳細については、https://www.dwavesys.com/(https://www.dwavesys.com/)をご覧ください。